心理学講座85 発達には時期がある

私たちは生まれてから(受精から)死ぬまで、いろいろなことを身に付けていきます。
歩くこと、話すこと・・・。
数え上げればキリがありません。

しかし、いつでも身につくか、というとそうとはいえないのものもあります。
その時期に身に付けないとその後、なんとかしようとしてもうまくいかないものがあります。
このような時期のことを心理学用語では臨界期といいます。

この時期に適切な発達が行われないと正常な発達が行われません。
そして、改善が難しい発達遅滞や機能障害を起こすことがあるのです。
ですので、臨界期という考え方は大切なのです。
その時期に、合ったものを身に付けていくことが必要なのです。

例えば、妊娠初期に妊婦さんが風疹にかかるとします。
すると、胎児の目や耳、脳の成長に障害が起きてしまいます。
ですので、女性には風疹の予防接種を奨励しているのです。

生まれてからもこういったことが起こることが知られています。
例えば、人に対する信頼感。
これは生後6ヶ月~18ヶ月の時期に培われます。
この時期に暖かさや愛情を受けないと子どもは信頼感を持つことができにくくなります。
結果、大きくなっても社会に対する信頼感を持つことができにくいといわれています。

また、幼児期に身についたなまりなどはなかなかぬけにくいです。
言葉の臨界期も幼年期までに決まります。

大人になっても同じです。
若い頃は覚えることができても、年を重ねてくると覚えにくくなったりします。
ですので、学ぶ時に学ぶことが必要です。
社会人になった時に学ぶことは学ぶ姿勢が必要だと思います。

「あとでいいや」

では、身につかなくなることがあるのです。