錯覚は思い違いや勘違いなのでしょうか?

「心理学で、刺激または対象の客観的事実を違ったものに知覚すること」
錯覚は、このようにいわれています。
それが転じて、「思い違いや勘違い」のことをいいます。
しかし、錯覚は思い違いや勘違いなのでしょうか?

人は錯覚で生きているともいえます。
というのも、客観的事実をそのまま知覚する(受け取ること)ができないからです。
よく例に出てくるのが、ミラーリヤーの図形です。
同じ長さの線なのに、矢印の向きを変えると長さが変わって見えてしまう、というものです。
ちょっとした操作を加えられてしまうと、見え方なんてすぐに変わってしまうのが人なのです。

客観的な事実を見ようと思っても、見ることができないものです。
ですので、自分が見たり、聞いたりしたことが、事実として捉えていいのか、よく考えることが大切です。
世の中、操作されているものはたくさんあります。
事実や常識と思っていたものが、実は、操作されていたものだった、ということはよくあります。

錯覚は、思い違いや勘違いではなく、そのように捉えてしまうものなのです。
人はこの錯覚から逃れることはできません。
ですので、錯覚の存在を認めて、検証していくことが大切なのです。

あなたの勘違いや思い込みは、勘違いや思い込みではないのかもしれませんよ・・・。